忘れた頃に
4月5日(土)のつづき。
法然院では学生ボランティアの子たちが
仏像や屏風絵の分かりやすい説明をしてくれた。
ここは「開かれたお寺」を目指していて
お寺の中で、考古学の講演などを開いたりしているそう。
今日は幸運なことに
春の伽藍内公開日で、本尊を拝む事ができた。
25菩薩を象徴する25個の椿の花。
暗闇の中で、椿だけが浮き出ている様にみえる。
なんて神秘的で美しいんだろう。
茶室へ向かう途中、入り口が低くなっていて
私の前の男の人が、思いっきり頭をぶつけた。
「いでぇー!いでぇー!」と声を上げ
私はびっくりしたが、前を歩く女の人が連れだと思っていたので
声をかけなかったのだが、その男の人は一人だった。
誰も「大丈夫ですか」と言わず、
彼は「いでぇ!いでぇ!!」と頭を抱えていた。
私は声をかけるタイミングを完全に逃したと思いながらも
さっき屏風絵の説明の中で
「現世で最も善い行いをした人は、亡くなる時に
天から25人もの菩薩がお迎えに来て、
あっという間に浄化してしまうけれど、
善い行いをしなかった悪人は、
お迎えは、たった1枚の蓮の葉っぱで
浄化に10万年かかるといわれています!」
と言っていたのを思い出して、
男性に声をかけなかった自分に、
そして、吹き出しそうにすらなってしまった自分に反省した。