著者:森達也「いのちの食べかた」
私たちが口にしている牛肉や豚肉が
どのように解体され、食卓に並ぶのか。
そう言われると何となく分かったつもりになっていて
本当に詳しいところまでは知らなかったことに気づく。
そう、私たちは「いのち」をいただいているのだと。
牛や豚を解体することを仕事としている人がいること。
その人たちのおかげで私たちはお肉が食べられる。
大切な仕事。
その昔、部落差別を受けていた人たち(えた・ひにん)は
例えば牛の解体や犯罪者の処刑のような
誰もやりたがらないような仕事をさせられた。
そしてその部落差別は本当は今でも残っている。
なんてひどいこと、と思っていたけれど
私は全ての人間を差別していないとは言い切れない。
小さな優越感を持ちたいがために、例えば
あの人たちよりはマシだとか、そういうことを
考えてしまう自分は、人間を差別をしているとは言えないか?
存在意義を見いだすために
他人と自分を比べてはいないか。
森さんの文章は、
私たちが当たり前と思ってやり過ごし
考えもしなかったことに疑問を投げかけ
立ち止まらせてくれる。
こども向けに作られたわかりやすくやさしい本です。
この1冊に、考えたいなと思うことがたくさん詰まっています。
私はこれからごはんを食べるときに
心を込めて「いただきます」と言おう。
「いのちの食べかた」